10年の休止を経て…アニメ《ドラえもん》が「フランス」に再上陸!配信先に「YouTube」を選んだテレビ朝日の"深謀遠慮"とは?

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ドラえもん
世界最大級のTVコンテンツ見本市「MIPCOMカンヌ2025」で、アニメ「ドラえもん」のフランスYouTubeデビューの狙いが明かされた(画像:©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK)
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半世紀以上続く国民的キャラクターの「ドラえもん」が、実はフランスでYouTubeデビューしています。

10月に開催された世界最大級のコンテンツ見本市『MIPCOMカンヌ2025』の会場で、フランス語吹き替え版チャンネルの新展開が発表されました。その背景には、視聴者とのつながり方を見直す──いわば「リーチの再構築」という試みがあります。

10年ぶりのフランス上陸、YouTubeで再挑戦へ

フランスで『ドラえもん』が展開されるのは約10年ぶりです。スペインやイタリアではすでに長年放送が続き、親世代にも定着していますが、フランスでは一度放送が途絶えていました。

その空白を経て、2024年9月にYouTube上でフランス語吹替版チャンネルが立ち上がり、まずは吹替版46話が公開されました。「ドラえもん」のファンベースをつくるところから再出発したのです。

このYouTube展開が評価され、25年に入ってから複数の配信契約へとつながっています。フランスのAmazon Prime Videoのほか、アニメ専門のAnimation Digital Network、無料配信サービスのPluto TV Franceなどが名を連ねます。YouTubeがフランス再進出の“呼び水”となったわけです。

『ドラえもん』の海外展開は、原作の藤子プロや小学館グループと並び、放送するテレビ朝日も長年中心的な役割を担っています。MIPCOMカンヌの会場でテレビ朝日に話を聞くと、国際ビジネス開発を統括する稲葉真希子氏が、YouTubeを選んだ理由を話してくれました。

「買ってくれるかどうかがすべてだった時代から、いまは“届けに行く”時代です。今回フランスではYouTubeという選択肢で、自分たちの足場をつくり直しました」

つまり、海外放送局の買い付けを待つのではなく、自らプラットフォーム上で発信し、視聴者との接点を取り戻すという戦略の転換と言えます。

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