「こんなにきれいなのは信じられない」東京ステーションホテルのハウスキーピングを見学した他社が驚くワケ

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(写真:haku/PIXTA)
重要文化財・東京駅丸の内駅舎の中で100年以上にわたり多くのゲストに愛され続け、2012年の再開業後は驚異のリピーター率40%を誇る東京ステーションホテル。
国内外の数々のアワードに輝くそのサービスの真髄に初めて迫った書籍『東京ステーションホテル 100年先のおもてなしへ』(上阪徹著)が先頃発売された。
入社3年目のスタッフから総支配人まで、11のStoryから見えてくる名門ホテルの「100年先を目指す」唯一無二のおもてなしとは?
日々ゲストを迎え入れる上で欠かすことのできない「ハウスキーピング」のStoryから、一部抜粋してお届けします。

ハウスキーピング「レジェンド」の存在

ここまでハウスキーピングが褒められるホテルはない。周囲のスタッフから、そんな声が飛んでくることも少なくないという。実際に、宿泊客などからのお褒めのコメントがバックヤードの従業員食堂前に貼(は)り出されることがしばしば。

「かつて勤務していた外資系ホテルでは、一つの部屋のハウスキーピングは45分で、と命じられていました。それがチェーンのスタンダードだと。東京ステーションホテルでは、部屋の大きさにもよりますが、おおよそ70分かけて清掃しています。時間をかけて、細かなところまで清掃スタッフに見てもらっています」

こう語るのは、ハウスキーピングマネージャーの福田年史(ふくだとしふみ)だ。そしてもう一つ、ハウスキーピングのレベルをめぐって福田が指摘するのが、〝レジェンド〞の存在である。

「ずっとハウスキーピングのスタッフをされていて定年。でも、その技術を失うのは惜しいということで、シニア雇用で活躍いただいている女性がいらっしゃるんです。今はもう70歳を超えています」

南郁子(みなみいくこ)。他のホテルから、南のベッドメイクが見たいと見学に来るほどだという。

「まさにハウスキーピングのプロフェッショナルですね。先生です。手がアイロンみたいで、彼女がシーツを整えると本当に美しいんです。伸ばすためのコツがあるんですが、それでもレベルが違う」

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