「こんなにきれいなのは信じられない」東京ステーションホテルのハウスキーピングを見学した他社が驚くワケ
最初の担当は備品調達。まさに、かつてやっていた役割だった。再開業にあたり、備品もすべて揃(そろ)えなければいけなかった。コップ、ティッシュボックス、ペン立て、リネン類……。
「候補を選んでサンプルを取り寄せ、総支配人に相談してOKをもらって発注する。今は資材調達を経由して買いますが、それだと間に合わない。それこそ毎日のように稟議(りんぎ)申請をしていたので、ミスター稟議と呼ばれていました(笑)」
調達しなければいけないものの中には、思わぬものもあった。長い廊下などに飾られているアートワークだ。これを各所からかき集めてきたのが、福田だったのである。
「アートや写真の展示について所蔵先に連絡をして、飾りたいから貸してくれませんか、と交渉する。それこそ、やったことのない仕事でしたから、どうやればいいのかと試行錯誤しながらでした」
備品発注で目が回るような忙しさの中、鉄道博物館をはじめ、博物館や記念館を回ってアートワークを確保していった。この努力があってこその、今のアートワーク群なのだ。
そして再開業後、ハウスキーピングの担当になる。
他のホテルのハウスキーピングが見学に来る
ホテルの開業前、行われたことの一つに、モックアップルームづくりがある。ツインの部屋とキングの部屋、2つのパターンを実際に作り、そこに購入した備品を当てはめていく。部屋のモデルを作るのだ。
ここで福田が進めたのがハウスキーピングのマニュアルを決めることだった。
「どんなベッドメイクにするか、担当責任者と一緒に考えていきました」
スタンダードのベッドメイクを決め、それをマニュアルに落とし込んでいく。検討を重ね、最終的に70分は必要だ、と決まった。



















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