エンジン車が、電気で制御するEVよりも知能化や乗車体験で劣位にあるのは、もはや一般的な認識である。
そんな中、外資系各社は知能化機能を追加しても価格を上げないマーケティング戦略により、中国EVに対抗しようとしている。
上汽フォルクスワーゲンは、「Proシリーズ」として、2025年9月にパサートなどの主力エンジン車にロングバージョンを投入。スマートドライビング機能の「IQ. Pilot」やスマートキャビンを搭載してきた。
また、中国新興勢の小鵬汽車(シャオペン)と共同で自動運転補助システムやソフトウェアを開発し、2027年にフォルクスワーゲンのエンジン車に搭載する予定だという。
苦戦を強いられているテスラ
上汽GMは、「Xiaoyao」アーキテクチャーを採用する高級EREV(レンジエクステンダーEV)のビュイック「至境7(エレクトラル7)」にモメンタの大規模言語モデル「Flywheel R6」を採用し、都市部NOA(ナビゲーション・オン・オートパイロット)など自動運転補助機能を導入した。
広汽トヨタが今年9月に投入したカムリの2026年モデルは、クアルコム製高性能チップ「Snapdragon 8155」や「Toyota Safety Sense 3.0Pro」を搭載。パノラミックビューモニターや12.3インチのセンターディスプレイを備え、車両の知能化と安全性の両立をアピールする。
中大型電動車は、高コストな大容量電池や高出力モーターを搭載するため、メインの価格帯が20万~30万元(430万円~646万円)となっている。
テスラの上海ギガファクトリーが本格稼働したことにより、2019年に10%だったこのレンジの電動化率は、2025年1~9月は65%へと上昇。中国勢がBMWやアウディなど、一部のドイツ系高級エンジン車やテスラと競争している。
実際、2025年にはシャオミSU7が、中大型EVセダン市場でテスラ「モデル3」を超えた。また、ファーウェイ連合や新興勢も自動運転補助機能を強化し、「打倒モデルY」の意向を隠さない。
実際、中国におけるテスラの販売台数は、2023年が前年比37%増、2024年に同9%増となったが、2025年1~9月期では6%減と、苦戦を強いられている。


















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