米中貿易休戦は海外投資家の中国投資を促す効果、中国株は2019年以来の年間上昇率を記録、とはいえ「貿易紛争終結」ではない点に留意が必要
中国と米国が制裁やその報復として打ち出した措置の一部を1年停止することで合意し、今年ずっと慎重だった外国人投資家にとって、中国市場に対する投資を妨げていた大きな要因の一つが取り除かれた形となった。中国株は2019年以来の年間上昇率を示しており、他の主要市場を上回っているのだ。
外国人資金運用担当者はこれまでデフレ圧力や個人消費の低迷、米中間の貿易摩擦を懸念して、慎重で選別的にしか中国株の上昇相場に参加していなかった。
休戦の最大の成果は協力の約束
30日に発表された中国とトランプ米大統領の間の合意は、こうした懸念の一部をある程度和らげる効果がある。
今回の1年間の「休戦」により、中国に対する輸入関税を引き下げられ、中国のレアアース輸出規制の一部を撤廃し、中国企業が米国の技術を一部利用できるようになる。
金融市場は、合意の詳細には心を動かされていない。アナリストたちは休戦の最大の成果は協力の約束だと指摘している。
「今回の貿易合意で何か劇的に変わると思わないが、中国への海外投資を促す方向に歩みを進める一助になる」と、ニューヨークに拠点を置くマン・グループのチーフ・マーケット・ストラテジストのクリスティーナ・フーパー氏は述べた。
政策対応や中国の人工知能(AI)分野への進出に後押しされて、上海と深圳の株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成する代表的な中国株指数「CSI300」は今年20%上昇した。より投資しやすい香港のハンセン指数(HSI)は31%上昇と世界で最もパフォーマンスが良好な株価指数の1つで、ナスダックの23%を上回っている。

















