問題は、その明確なショックとして、何がありうるだろうか?ということである。
ささいであるがゆえに「大きなショック」になる可能性
イスラエルのガザ空爆再開では足りない。地政学の観点から言えば、核使用でもない限り、みんな今や戦争には慣れっこになっているだろう。しかし、核使用並みのショックなど、現在の世界でありうるだろうか?
ない。しかし、ある。ささいな、大きなショックが起こる。つまり、逆にささいなことが、ささいであるがゆえに大きなショックとして受け止められる可能性を指摘しておきたい。
バブルが異常に膨らんでいるから、利益確定をしたい人はいっぱいいるし、少しの不安でも、それが大きく報道されたり、あるいは、プログラム売買や機関投資家が、あまりに機敏に行動しすぎたりすると、集団の罠で、ささいな動きのシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)が、巨大な動きとなる可能性がある。
昨年の8月5日に起きた日経平均の4451円安(いわゆる日銀ショックだが、実際には日銀のせいではない)のときも、プログラム売買の損切りがシンクロナイズして、売りが売りを呼び、大暴落となった。
このときは「テクニカルな下落にすぎない」として、株価は1日で大きく回復したが、8月6日にたまたま別のやや大きなネガティブイベントが起きていれば、そのまま暴落し続けただろう。
こんなささいなことが大きな株価下落につながった。今はそれほどセンチメントが弱い。株式市場は脆弱だ。そう解釈されるがゆえに、小さいショックで揺れたこと自体が、大きな揺れがこれから来ることを畏れさせ、それが実際に大きなショックとして自己実現してしまう。そういうことが、今後起きる可能性がある。
可能性の一例を具体的に挙げると、アメリカでは政府閉鎖が続いており、さまざまな経済指標、統計が発表されなくなったり、精度が落ちたりしている。その1つが消費者物価指数(CPI)であり、普段よりもネット調査による情報入手の割合が増えており、下方バイアスがあると言われている。


















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