「僕は逮捕されますか?」「奨学金も使い込んだ」→《オンラインカジノ》で大金を賭ける"若者"の実態。違法ギャンブルにハマる理由は?

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こうした学生に共通するのは、ギャンブル中毒となりやめられない状態となっていたこと。貴重な学費や生活費などを使い込み、追い詰められていた。中には小中学生の頃から利用していた生徒もおり、数年間にわたって大金をオンラインカジノにつぎ込んでいる。

カジノサイトは賭博ビジネスが合法な国で運営されているが、日本国内で利用する場合は、言うまでもなく賭博罪に該当する違法行為だ。20歳未満の者が行う場合は、少年法によっても違法となるが、10代の若者が多く利用している実態がある。

シード・プランニングによる「オンラインカジノの実態把握のための調査研究の業務委託報告書」(令和7年1月)では、日本国内在住の15~79歳を対象にしたアンケート調査を実施。

そこから推計される15歳~79歳までのオンラインカジノの国内利用者数は約196.7万人で、経験者数は336.9万人に達する。また、年間賭額の総額は約1兆2423億円に上ると見込まれている。

各年代における経験者の割合は、20代8.66%、30代6.66%、40代3.77%、10代3.26%の順に多い。50代は1.58%、60代は1.10%、70代は0.68%にとどまり、若い世代の利用率が高いことがわかる。

経験者500人のうち46.2%が、オンラインカジノがきっかけで消費者金融、家族・友人・知人へ借金をしたことがあると回答している。

借金をしたことがある割合が最も高いのは10代で、61.1%に上る。10代はまだ学生のことが多く、収入もほとんどない。そんな状態でハマることで、借金につながってしまっているのだろう。

オンラインカジノをプレイする理由は、「ギャンブルが好き」「気分転換・ストレス解消」などが3割以上と高く、「配当金・勝利金が魅力的(勝ちやすいから)」「友人・知人・家族との話題作り」「場所や時間を選ばずにプレイできる」などもそれに次いで多い。10代では「暇つぶし」も3割と多い。

スマホでできること、話題になるからというライトな理由でプレイする例が多いというわけだ。経験者の中でオンラインカジノの違法性を認識していなかった人の割合は39.8%に上り、スマホゲームのような気軽な気持ちで始めてしまう実態がわかる。

ロマンス詐欺に手を染める高校生も

生徒や学生がハマった結果、遊ぶ金がなくなり、犯罪に手を出すケースも相次いでいる。

今年、仙台市の高校1年生(15)がロマンス詐欺の手口で複数の男性から金銭を詐取したとして逮捕された。生徒はカジノ賭博を中1頃から始めており、「オンラインカジノをする金がほしかった」と容疑を認めているという。

神奈川県藤沢市の大学生(19)は、画像生成AIで作成されたわいせつ画像のポスターを販売し、売り上げを元にオンラインカジノで賭博をしていた。やはり今年、わいせつ図画頒布と単純賭博等の容疑で書類送検されている。

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