「荷物が少なすぎる」とドラッグ密輸を疑われ"別室送り"…それでも海外旅好きな34歳男性がスーツケースを持たない訳→「身軽さがすべて」な旅哲学

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バックパッカーとして世界を飛び回っていると、国内外の空港のチケットカウンターで「その荷物だけで本当に行くの?」と空港職員に不思議がれられることがある(ときには大きな荷物が足元にないか、カウンター越しから覗き込まれることもある)。

なぜ私はバッグ1個のスタイルにこだわり続けているか。これには理由がある。

スーツケースが海外旅行に不向きな理由

私は28歳のときに海外旅行にハマったのだが、当時は奨学金480万円の返済をしながら、会社員として働いていた。経済的にも時間的にも余裕はなく、だからこそと言うべきか、昔も今も「国内旅行より安い費用で、短期滞在で効率よく、たくさんの国を見てみたい」といった願望がある。荷物の軽量化と小型化は、これを叶えるための重要なピースの1つだ。

空港に到着後、スーツケースが運ばれてくるのを待つ時間はロスでしかない。路面状況の違いもある。海外では石畳の道が少なくない。途上国では舗装されてない道も多い。日本と異なり、スーツケースでの移動は不便だ。

トラブルに遭った際、「逃げる」「追いかける」といった動作を容易にしたい狙いもある。エジプトに渡航した際はナイフを持った男が現れた。東南アジアのタイでは“すり”に遭いそうになった。どちらも大事には至らなかったが、もしも最低最悪のシチュエーションになったとき、両手両足は自由に動かせた方がいい。

道
バングラデシュの道は凸凹。水たまりも多く、スーツケースで移動するのは無理がある(筆者撮影)
ハンガリー川沿い
ハンガリーの川沿いの道は凸凹しており、スーツケースで移動してる人は大変そうだった(筆者撮影)

金銭的な問題もある。韓国や台湾など、アジア各国を(燃油サーチャージなど諸税込みで)2万~4万円前後で移動できる「格安航空券」はLCCの場合が多く、スーツケースを預けると5000~1万円前後の追加料金が発生する。けれどバッグ1個ならこれを回避できる。

タクシーには乗らずバスや列車、徒歩で移動したい(だからスーツケースは邪魔に感じる)という理由もある。その国のリアルな空気感を知りたい私は、現地の人が使っている交通公共機関を積極的に利用している。節約にもなるので一石二鳥だ。

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