「世界シェア7割」を誇るKOKUSAI ELECTRICの"魔法の成膜技術"とは?

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日本人が知らない‼ 世界シェアNo.1のすごい日本企業
「成膜」に特化した半導体製造装置メーカー「KOKUSAI ELECTRIC」。同社は2025年3月期に2389億円だった売上高を中期的に3000億〜3300億円にする目標を掲げている※写真はイメージです(写真:phonlamaiphoto/PIXTA)
世界シェアナンバー1の日本企業は今も多数存在し、日本経済のみならず世界経済を支えている。特に小規模なマーケットで世界シェアが圧倒的に高く、世界のサプライチェーンで非常に重要な企業が日本にはたくさんある。本稿では『日本人が知らない‼ 世界シェアNo.1のすごい日本企業』より一部抜粋のうえ、今注目の半導体業界の中から、知られざる優良企業をご紹介する。

「成膜」に特化した半導体製造装置メーカーKOKUSAI

KOKUSAI ELECTRICは半導体製造工程の中の「成膜」に特化した半導体製造装置メーカーだ。成膜とは、半導体の基板となるシリコンウエハーの上に酸化膜・窒化膜を形成する技術を指す。

成膜装置は枚葉式とバッチ式の2つのタイプに分けられる。枚葉式はウエハー1枚ごとに成膜するが、バッチ式は一度に数十枚から数百枚のウエハーに成膜する。バッチ式のほうが高効率なのは言うまでもない。

KOKUSAIは、数十枚以上のウエハーにまとめて成膜できるバッチ式の成膜装置に強みを持つ。中でもALD(原子層堆積法)という方式での世界シェアは約70%を誇る。

成膜装置全体では東京エレクトロンも強いが、ALD方式ではKOKUSAIのほうが圧倒的にシェアが高い。

同社が得意とするALD方式では、複数のガスを何度もウエハー上に供給して化学変化を起こすことで原子レベルの薄膜を何層も重ねていく。微細で複雑なデバイスに対して均一に成膜できる。

丁寧に膜を形成するので時間がかかるという欠点があるが、同時に数百枚を扱うことができるので作業効率は高い。同社の「バッチALD方式」の成膜装置は、世界の半導体製造になくてはならない存在だ。

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