「3歳からメイク」「親も一緒に楽しめる仕様に」 急成長する《キッズコスメ市場》を背景に、いま化粧品業界に起きている"異変"

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美容イノベーションファーム「ampule」が2025年3月に、小学生の女の子の子どもがいる母親600名に実施した調査によると、「お子様の周りに、メイクに興味があったり実際にメイクをしているご友人はいますか?」という問いに「いる」と回答した人は70.2%に上った。

また、「あなたのお子様は、メイクに興味がありますか?」という問いに「ある」と回答した人は62.3%、「お子様は、化粧品を持っていますか?」という問いに「持っている」と回答した人は52%に達している。

これらの数字は、キッズコスメがすでに小学生の間で一般的な存在となっていることを示している。

粧美堂の商品企画部マーケティング課の佐藤裕之氏によると、キッズコスメは数年前までは主にトイザらスなどの玩具売り場でしか売られていなかったが、いまや売り場面積をどんどん増やし、ロフトやハンズといった雑貨店だけでなく、イオンやイトーヨーカドーなどの大人向けの化粧品売り場でも販売されるようになっているという。

メインターゲットは小学校低学年だが、昨今ではSNSなどの影響により使用開始年齢も3歳頃からと早期化している。

キッズコスメ
「3COINS+plus」に売られていた「KIDSコスメセット」(税込1650円)と「KIDS用メイクブラシ」(税込330円)。大人でも使えそうなカラーとクオリティだ(編集部撮影)
キッズコスメ
開封するとこのような内容。コスメセットは、マニキュアやアイシャドウ、リップグロス、リップ、チークがセットになっている(編集部撮影)

また、プリキュアなどのアニメ作品の影響も大きいという。変身などの際にメイクアイテムが登場する描写が増えており、実際に、公式グッズでも「お化粧あそび」をテーマにした、ぬりえブックや作中に登場するコスメブランドのリップやネイルといったアイテムも販売されている。

「子どもと一緒にメイクを楽しみたい」親の意識

また、キッズコスメ市場拡大の最大の要因は、親世代の意識変化が大きいという。従来はメイクを大人のものと捉え「小学生にメイクなんて」と否定する傾向が強かったが、現在は自己表現や自己肯定感を高めるための手段として受け止める考え方が浸透するようになった。

キッズメイク
(出所:ampule)
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