「国立競技場」→「MUFGスタジアム」でどう変わる? "ONE OK ROCK単独公演"の誘致に見る本気度
竹内社長は質疑応答で「数年以内の黒字化」を明言した。契約金額こそ非公表だが、年間17億円という運営権対価の重さを考えれば、相当な金額であることは想像に難くない。
ネーミングライツを購入したMUFGの亀澤社長は「経済的価値だけで判断したわけではない」と強調した。世界陸上や大阪・関西万博を引き合いに出し、「場から発信するエネルギーが膨らんでいく」と説明。企業価値と社会価値の両立を目指す姿勢を示した。
MUFGにとって、国立競技場は単なる広告媒体ではない。全15万人の社員を巻き込んだ社会貢献活動の舞台であり、取引先企業とのビジネスマッチングの場であり、スタートアップ支援の発信拠点でもある。髙瀬英明CSOは「会議室でやっていたことをここでやる。違う発想が生まれる」と期待を込めた。
スイートルーム48室、ホスピタリティで稼ぐ
収益化の柱はネーミングライツだけではない。3階バックスタンドから北側スタンドにかけて48室のスイートルームを新設する計画が明らかになった。ピッチレベルには最高級の5室も設置される。
竹内社長は「スイートルームを法人の方々にJNSEとして販売していく」と説明した。飲食店のリニューアル、スタジアムツアーの実施など、非興行日でも稼げる仕組みづくりを急ピッチで進めている。

目標は年間120日以上のイベント開催と延べ260万人の集客。従来の陸上、サッカー、ラグビーに加え、音楽ライブや企業イベントも積極的に誘致する。「記者会見やウェディングフォトもいい」と竹内社長。6万8000人収容の巨大施設を、あらゆる手段で埋めていく覚悟だ。
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