「GDP日本超え目前」久々に歩いたインドが別物だった…高速道路、地下鉄など交通インフラが飛躍的に進化

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街の中にはスマホを持つ若者であふれており、婚活アプリで結婚相手を探すことが常識になっているといわれる。14億の人口を抱えるインドが生まれ変われた背景には、たった1人の政治家の力が大きいともいわれている。モディ首相の人気は、とりわけ農村部で強い。ロシアへの対応に追われるドイツを抜いて、インドがGDPで世界第3位になるのも時間の問題だろう。

もう一つ、忘れてはならないのは安全保障の問題だ。日本、アメリカ、オーストラリア、インドで構成される「Quad(クアッド)」が順調に機能していけば、中国に対する大きな抑止力となるはずだった。目先のことにしか興味のないトランプ政権は、長期的戦略は二の次のようだ。現在、インドはトランプ政権による50%の関税への対策として、9月22日から消費税に相当する「物品・サービス税(GST)」の税率を引き下げて、4段階あった税制を5%と18%の2つに簡素化するなど、消費の活性化に動いている。

コカ・コーラやマクドナルドも国民の間に浸透

1980年代に見たインドは、コカ・コーラの営業も拒絶し、自動車も国産の「TATA」中心で、自給自足的な国家という要素が強く残っていた。その後、中国のグローバル化などの影響を受けて、インドにも多種多様な車が入り、コカ・コーラやマクドナルドも国民の間に浸透している。かつて、インドにはカースト制度が根強く残っていた。最近はあまり意識されなくなったといわれているとはいえ、依然として貧富の差は激しい。デリーでも道路の脇に布団を敷いて、一家が暮らしているホームレスが数多く存在している。

インフラが整備され、国民の半分といわれる農業生産者が、他の産業にスムーズに移行することができれば、インドもまた経済大国として成長を続けられるはずだ。いずれにしても、混沌と喧騒の中にあった国家が、優れた政治家の誕生などで大きく生まれ変わりつつある姿を見た気がする。少なくとも、日本にはない活況があり、成長の可能性にあふれていた。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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