「GDP日本超え目前」久々に歩いたインドが別物だった…高速道路、地下鉄など交通インフラが飛躍的に進化
こうしたインド経済の革新は国際的にも認められつつある。今年8月には大手格付け会社のS&Pグローバル・レーティングが、インド国債の格付けを「トリプルBマイナス」から「トリプルB」に引き上げた。18年ぶりのインド国債格上げであり、海外からの資金流入が進んでいる。
株式市場も今年8月までは堅調に推移しており、インドの大手企業の中で、時価総額が100億ドル(約1.5兆円)を超える企業の数が120社となり、日本企業の127社に並びつつある(「インド株ヒット『メジャー』入り」2025年6月26日、日経新聞朝刊)。

急速に冷え込む米印関係、関税率50%の衝撃+ビザショック
2026年には日本を抜いて世界第4位の経済大国になろうとしているインドだが、懸念材料も数多くある。その最たるものが、トランプ米大統領によるインドの関税率引き上げだろう。インドからの輸入品に対して一律50%に引き上げるという政策だ。
ロシアからの原油を輸入しているという理由だが、ロシアから大量の原油を輸入しているはずの中国に対してはおとがめなし。インドが苦境に立たされていることは間違いない。直後に、モディ首相は「インドの農業生産者や酪農者、漁業者の生活や利益を決して犠牲にしない」と宣言して、あくまでもアメリカの言いなりにはならない姿勢を見せている。
さらに、もうひとつの問題がアメリカのビザの問題だ。トランプ政権が打ち出した、専門技能を持つ外国人労働者向けの「H-1B」ビザに対して、1人当たり10万ドル(約1500万円)の手数料を課すと発表したのだ。このビザの取得者の「7割」はインド人だといわれており、海外に出稼ぎに出ているインドのIT技術者は相当数に上るといわれている。外貨収入の3%超に相当する収益になっているとも指摘されている。
トランプ政権は、H-1Bビザの発給を大量に申請している企業に書簡を送り、H-1Bが必要な外国人専門職をなぜ雇用するのか、その詳細を説明するように求めている。インドのIT関連業者にとっては大きなダメージになる可能性がある。
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