「家庭料理は時短・中食化が進むけれど…」。製菓・製パン材料など1万点超の品ぞろえ、"作る人"のニーズを見逃さない富澤商店の戦略
差別化のために、「富澤商店に来れば何でもそろう点も大事にしています」と話す原事業部長。
例えば、「どこを探してもなかったが、富澤商店にあった」と喜ばれた、ところてん突き。「型抜きクッキーを作りたいときに便利!生地を作るところからスタートすると、子どもが飽きる」とありがたがられた冷凍のクッキー生地。

キャラメルポップコーン用のキャラメルシュガー、自家製ソーセージに使う羊腸。トレンドにアンテナを張り、ニッチな商品も見つかる安心感が顧客をつかむ。適正価格を守る方針も、信頼性を確保している。
物価高で“手作り”に需要
最近特に人気が高いのは、パン用の米粉「ミズホチカラ」で昨年9月~今年8月の1年間は前年同期比約127%の伸び。グルテンフリーの食品が注目されていることに加え、ロシア‐ウクライナ戦争で小麦粉価格が上昇した頃、品質が上がった米粉が見直され流行した影響がある。

高騰するチョコレートの代替商品で、植物油脂を使った製菓用コンパウンドチョコレートも人気が好評だ。
材料費の価格上昇で高くなったケーキも手作り需要が伸び、特に冷凍スポンジケーキが人気。クリスマス時期はデコレーション用のサンタやツリーなどのオーナメント、生クリームも手作り需要でよく売れる。そして物価高が社会問題になる今、富澤商店でも変革の機運は高まっている。


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