市場が喝采する「日本版TACO」が始まったと思ったら短期間で終了?「高市トレード」はいつまで続くのか

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自民党の新総裁に就任した高市氏。「高市トレード」で市場は大いに盛り上がったが、10日に公明党が連立の離脱を表明。週明け14日以降はどうなるのだろうか(写真:ブルームバーグ)

今週(6~10日)の日経平均株価は史上最高値を大幅に更新し、とうとう4万8000円の大台に乗せた。NYダウ工業株30種平均株価も同じく最高値圏だが、4万6000ドル台と、めずらしいことに日経平均を下回っている。もちろん円とドルの単位の違いはあるとはいえ、このところはずっとNYダウが日経平均を上回っていた。「この株価の日米逆転」は、いったいいつ以来のことだろう?

ここまでくると、多くの強気派ストラテジストたちが唱えていた「日経平均5万円」も、そんなに遠い未来ではないように思えてくる。何しろこの水準になると、指数が1日に1%動いても約480円の増減になるのだから。

高市新総裁を文字った「日本版TACO」とは?

何はさておき、株高の理由は10月4日の自民党総裁選挙で高市早苗氏が勝ったことである。「責任ある積極財政」への期待感が相場を押し上げている。財政規律派の「ラスボス」と呼ばれた宮沢洋一氏が、自民党税調会長を退任する、との観測記事までが「買い材料」になった。わが相棒、オバゼキ先生(小幡績・慶應義塾大学大学院教授)の渋い顔が目に浮かぶようだ。霞が関界隈では、早くもこんなふうに言って現下の株高を嘆いているらしい。

「この株高は日本版TACOトレードだ。その心は”Takaichi Always Challenges Officials.”(高市はいつも官僚を目の敵にする)!」

良くも悪くも、市場は「総裁選は小泉進次郎氏が勝つ」と折り込んでいた。特に財務省は、小泉選対の事務局長を同省出身の加藤勝信大臣が引き受けるなど、省を挙げて小泉陣営を支えてきた。

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