週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場

市場が喝采する「日本版TACO」が始まったと思ったら短期間で終了?「高市トレード」はいつまで続くのか

11分で読める
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES

問題はこの「高市トレード」(日本版「TACOトレード」と言うべきか?)の賞味期限である。筆者はあまり楽観できないと思っている。理由は以下の3点だ。

「TACOトレード」が楽観できない3つの理由とは?

まず、日経平均は9月だけで約5%も上昇している。これは政治情勢とは無関係に、企業収益の改善やガバナンスの向上を期待する買いだった。そこへ「高市新総裁誕生」により、今度は積極財政や成長戦略という期待が上乗せされたが、実体経済が変わるのはかなり先のことになる。期待だけで上値が続くことは考えにくい。

2番目に、1年前とは大きく状況が変わっている。昨年の自民党総裁選が行われたときには長期金利は1%未満、為替も1ドル=140円台前半だった。あの時点で、1年後の長期金利が、今のような1.6%台に上昇すると予想していた人はほとんどいなかったはずである。ここから先の「アベノミクス2.0」はリスクが高いのではないか。「株高、円安、債券安」の流れがいつまでも続くことは想定しにくい。

下手をすれば財政悪化懸念から、日本版「トラス・モーメント」の可能性だってある。2022年9月、英国で3人目の女性首相に就任したリズ・トラス氏は、就任早々、性急な減税策を打ち出した。ところが英国債と通貨ポンドの暴落を招いてしまい、わずか2カ月足らずで首相の座を降りることとなった。口さがない英大衆紙は、「トラスとレタス、賞味期限ではレタスの勝ち!」などと報じたものだ。

どうせなら高市氏は、ちょうど同じ時期にイタリア初の女性首相に就任したジョルジャ・メローニさんのような長期政権を目指すべきであろう。こちらは過激な主張は「言うだけ」にとどめて、現実的な政策を採りつつ、今ではアメリカのドナルド・トランプ大統領ともEUとも好関係を維持している。目指すべきはトラスよりも「アジアのメローニ」であろう。

次ページが続きます

5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象