この1年、少数与党の石破政権は予算編成のたびに野党との調整を求められ、財政支出拡大を余儀なくされてきた。ここで高支持率政権を誕生させ、できれば連立工作もアシストして安定政権を誕生させたい、との思いがあったことは想像にかたくない。
1年で5万増!高市氏「得票率4割」は圧倒的だった
ところが投票で番狂わせが起きた。4日の第1回投票の結果は以下のとおりである。
党員・党友票における高市氏の得票率は何と4割。他の候補者を圧倒する高さであった。これがいかにすごいことなのかは、少々補足説明する必要があるだろう。
昨年の総裁選における党員・党友票は、高市さんが20万3802票(29.3%)でトップ、石破茂氏が僅差の2位で20万2558票(29.1%)だった。高市さんは、1年でここから5万票近く増やしたことになる。しかも党員投票への参加者は、昨年から7万人も減っている。つまり高市票はとても「熱い支持」だったのだ。
昨年の総裁選、決選投票で高市氏が逆転負けしたことへの同情票、さらにこの1年、無役に徹して地方行脚を行ったことによる上積み効果、さらに「岩盤保守層」には、「このままでは党内で自分たちの声が埋没する!」という危機感もあったことだろう。何しろ7月の参院選では、多くの保守票が参政党などに流れたと見られている。保守票は中道穏健票よりも熱かったのである。
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