人々(Volks)の車(Wagen)に立ち返る「新しいファミリー」は成功するのか?

フォルクスワーゲンが、2025年9月初頭にミュンヘンで、コンパクトなクロスオーバー「ID.CROSS(アイディークロス)コンセプト」を発表した。
現段階ではコンセプトに留まるが、将来は市販化が予定されている。
注目点は、フォルクスワーゲン言うところの「エレクトリック・アーバンカー・ファミリー」に属するところ。これが同社の重要な製品戦略とされる。
新しいデザイン言語“ピュア・ポジティブ”
ID.CROSSコンセプトのボディは、全長4161mm、それに対して2601mmと比較的長いホイールベースを組み合わせる。
フォルクスワーゲン・グループの「MEBプラス」なるBEV用プラットフォームを使い、モーター1基で前輪を駆動。一充電あたりの走行距離は、最大420kmとされる。
フォルクスワーゲンはミュンヘンでのIAA自動車ショーのオープン前日に、自社のスタンドにメディアを招いて、ID.CROSSコンセプトを公開した。

「この車の開発当初から、私たちの目標は、フォルクスワーゲン・ブランド史上、最高のモデルをデザインすることでした」
フォルクスワーゲンが用意したプレスリリース内には、フォルクスワーゲン・ブランド最高経営責任者(CEO)などを務めるトマス・シェファーCEOの言葉が引用されている。
「私たちは新しいデザイン言語を“ピュア・ポジティブ”と呼んでいます」
そう語ってくれたのは、ヘッド・オブ・デザインのアンドレアス・ミント氏だ。ベントレーから2024年に移籍してきた人物である。
「フォルクスワーゲンにおける3つのデザイン基盤(安定感、親しみやすさ、独自性)に基づいており(中略)純粋かつ力強く明確なライン、視覚的な安定感、そしてポジティブで親しみが持てるデザインを重視しています」
上記はID.CROSSコンセプトのプレスリリースに記された、ミント氏によるデザインの背景解説だ。
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