人々(Volks)の車(Wagen)に立ち返る「新しいファミリー」は成功するのか?
室内は広くて、かつサイズはコンパクト。これもアーバンカーにとって、重要な要素である。
フォルクスワーゲンでは2023年に「ID.2 all」「ID. GTIコンセプト」、今年2025年にも「ID. EVERY1(エブリイワン)」と、相次いでコンパクトサイズのBEVのコンセプトを発表してきた。

このうち、ID. GTIコンセプトがID.ポロGTIになり、今回のID.CROSSコンセプトとID.2 allが、その名前のまま2026年内に量産化。ID.EVERY1も、2027年に市販モデルを発表するという。
「タイプ2」や「ゴルフ」も意識して
デザインも武器だ。たとえばID.CROSSコンセプトでは、グラフィックスと3Dライトシグネチャーにより、クルマが「微笑んでいる」ような印象を与えることが重要だったとか。
「フォルクスワーゲンのモデルは、親しみが持て、唯一無二で、個性的で感動を与えるものでなければなりません」
そう語るのは、ヘッド・オブ・デザインのミント氏。

フロントマスクのデザイン構築においては、「タイプ2」と呼ばれるマイクロバスや「ゴルフ」のデザインも意識したそうだ。
「世界でも、これほど力強いデザインの伝統を継承している量産ブランドは、ほとんどありません」
もちろん、フォルクスワーゲンが大きなサイズのモデルを作るのをやめた、ということではない。自社の強みをマーケティングツールとして活用する傾向が、各自動車メーカーで共通して見られる中で、フォルクスワーゲンはコンパクトカーへの強みを生かした戦略をとる。
エレクトリック・アーバンカーファミリーを筆頭に、生き残りをかけてブランド価値を再認識あるいは再構築していく動きは、加速していくだろう。

ただし、これらエレクトリック・アーバンカーファミリーが日本に上陸するのかは、現時点では未定だそう。でも、コンパクトな「ポロ」や「T-Cross(ティークロス)」が売れているところを見ると、日本でも受け入れられる余地は、十分にあると思う。
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