人々(Volks)の車(Wagen)に立ち返る「新しいファミリー」は成功するのか?

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リアクォーターピラーを垂直型にしてSUVの力強さを強調(写真:Volkswagen)

「ボディデザインにおけるポイントは、全幅を抑えめにしつつ、トラック(トレッド)をできるかぎり広くとることでした。それによって、マッシブな印象を強調したかったのです」

ミント氏は、発表会場でそう説明してくれた。

実車を間近に見ると、未塗装の黒い合成樹脂製オーバーフェンダーが張り出すように装着され、ヘッドランプもエアインテークも薄い。それでたしかに迫力がある。

ボディの厚みを活かして“ごつい感じ”をうまく出した「ID.CROSSコンセプト」(写真:Volkswagen)

フォルクスワーゲンは、IAA自動車ショーでのID.CROSSコンセプト発表と同じタイミングで「エレクトリック・アーバンカーファミリー」なる商品コンセプトをお披露目した。

1つのベースに異なるキャラクターを構築する、というプラットフォーム戦略だ。

「現在、私たちは次の段階へと進んでいます。エレクトリック・アーバンカーファミリーは、新たな始まり、アクセシビリティ、そして進歩を意味します」

フォルクスワーゲン・グループのオリバー・ブルーメCEOの言葉だ。

ショーでは、フォルクスワーゲンが上記ID.CROSSとともに、「ID.ポロ」と「ID.ポロGTI」を発表。

カムフラージュを除けば、スタイリングはほぼ市販型だそう(写真:Volkswagen)

加えて、チェコで展開するシュコダ、スペインのクプラという傘下ブランドでも、同じプラットフォームを使う新型BEVをお披露目した。それぞれ、Epiq(エピック)、Raval(ラヴァル)という。

これらがエレクトリック・アーバンカーファミリーだ。

いずれも市販が前提

ID.ポロは、従来の「ポロ」の未来形。ショーでお目見えした車両はカムフラージュされていて、どんなフロントマスクになるのか現時点では不明だ。

同時に登場したID.ポロGTIは、フォルクスワーゲンにとって初のバッテリー駆動のGTIモデルとなる。2台のポロは、2026年内に市場に投入されるという。

シュコダ「Epiq」の説明をするシュコダ・アウトのクラウス・ツェルマーCEO(写真: Škoda Auto)

シュコダ Epiqは、今回きちんとした姿を見せた唯一のクルマ。インテリア、エクステリアともに、ブランドの新しいデザイン言語である「モダンソリッド」が適用されている。

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