一歩間違えば"短命政権"に終わる可能性も… 高市政権を待ち受ける「地雷だらけ政局」の正体

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高市早苗
自民党の新総裁に就任した高市早苗氏。臨時国会で初の女性首相が担当する見込みだが、その足元には「地雷原」が広がっている(写真:時事)

自民党総裁選挙は高市早苗氏が勝ち抜き、10月15日には初の女性首相が誕生する見込みだ。衆参両院とも少数与党という苦境を打開するための連立拡大協議や政策課題が待ち受ける。

保守色の強い高市氏には、野党が警戒を強めており、国会運営は厳しさを増すだろう。政策面では、多くの国民が不満を抱く物価高や格差拡大に対する具体策づくりが急務だ。これに成果を出せないようだと、高市政権は政局の荒波に押しつぶされ、短命に終わるだろう。

党員票の勢いに乗って決選投票を制す

総裁選は10月4日に投開票され、1回目の投票では、小林鷹之元経済安全保障担当相(国会議員票44、党員票15)、茂木敏充前幹事長(34、15)、林芳正官房長官(72、62)、高市氏(64、119)、小泉進次郎農林水産相(80、84)だった。

上位2人による決選投票の結果、高市氏(国会議員票149、都道府県票36)が小泉氏(145、11)を上回り、第29代総裁に選出された。

高市氏は1回目の投票で党員票の約4割を獲得。その勢いに乗って、決選投票で小泉氏を抑えた格好だ。保守色の強い高市氏が党員票を多く集めたのは、自民党の足元が保守化していることの表れだろう。

もっとも、今の自民党員は約91万人で、全有権者の1%にも達しない。その党員票をテコに首相の座を射止めたことの「正当性」には議論の余地があるだろう。いずれ、衆院の解散・総選挙で民意を問うべきだという声が高まるのは間違いない。

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