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ライフ #記憶に残る喫茶店を訪ねて

元ヴィレヴァン店長が受け継いだ老舗喫茶「暇すぎて漫画を読んでいた」が…3店舗経営に拡大! 経営の極意「やれば道が開く」の突破力

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「喫茶博物館を再開させたい気持ちはあるんですが、今は喫茶店ブームなのでもう少し落ち着いてからでもいいかなと思っています。常に新しいチャレンジを自分たちに課して挑戦するという経験ができたから、やってよかったですね」

もう訪れることはできない閉業喫茶店の調度品が集う、喫茶博物館 珈琲ポエム。ここに来れば往年の名喫茶それぞれの面影を感じることができた(著者撮影)

受け継がれる味、つながる未来

月見山店のオープン時からある「さとちゃんのチーズケーキ」(単品450円)。店長のさとちゃんがレシピを考案した月見山店だけのメニューだ(著者撮影)

2号店の月見山店で店長を務めていた女性、“さとちゃん”が、8月末に亡くなった。45歳だった。

さとちゃんは乳がんの治療をしながら、働いていた。

山﨑さんが前職で働いていたフロインドリーブの同僚で、誘ったらすんなりとポエムの一員に加わってくれたそうだ。

「さとちゃんは立ち上げから月見山店に関わったこともあり、この店を大事に思ってくれていたし、お客さんからも愛されていました。

2年半前に乳がんが再発してからは、短時間勤務になり、週1勤務になり、体調と折り合いをつけながら働いてくれていました。

8月には末期になって見守るしかない状況やったけど、最期には『幸せや』って言葉を残して旅立ちました」

ポエムは2023年1月に法人化した。売り上げが増えたことと、スタッフに社会保険を提供したかったからだ。

「社会保険をかけていたおかげで、さとちゃんは治療に専念できたと思います。さとちゃんが育てたスタッフが、今は社員として頑張ってくれています。自分がいなくなった後のことまで考えてくれていて、本当にありがたいですね」

気丈に話していた山﨑さんだが、さとちゃんの話になると涙を浮かべた。

さとちゃんが紡いだ味と時間は、スタッフの手とお客さんの記憶の中で生き続ける。月見山店はこれからも、さとちゃんとともに歩んでいく。

一番右が山﨑さんの親友でもある、さとちゃん(山﨑さん提供)
【画像を見る】本編では紹介しきれなかった画像も! 自家製プリン(290円)やケーキセット(850円)はこんな感じ

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