山﨑さんは飲食店で働いた経験はあるが、喫茶店経営のノウハウはなかった。
スムーズにポエムを引き継げたのは、ヴィレッジヴァンガードでの勤務経験が大きいという。

ヴィレヴァンで学んだ差別化戦略と顧客づくり
大学を中退後様々なアルバイトをしながら、バックパッカーをしていた山﨑さん。経営を学びたいと思い、23歳から大阪のヴィレッジヴァンガードで働き始めた。才覚があったため、1年で店長に昇進した。
「ヴィレッジヴァンガードでは店長の裁量ですべてを任せてもらえたんです。
店の立ち上げはヴィレッジヴァンガードで勤めていた時に、物を売るエリートたちに叩き込まれたので得意中の得意でした。
店舗運営、商品企画、スタッフの育成はヴィレッジヴァンガードでの経験が活かされています」

神戸元町周辺は喫茶店の数自体が多い。また神戸から広がったと言われるほど、コーヒーが文化として根付いている。
だからこそ、他店との差別化を図るための戦略が重要だった。
「まず考えたのは、周囲の喫茶店と一緒のことをしても生き残れない。コーヒーは当時400円で、他と比べたら高かったけど、自家焙煎の手間をかけてお客さんに満足してもらえる味を追求しました。メニューはすべて手作りです。最初はカレーを出していたんですが、仕込みの手間がかかるのですぐにやめました。その場で作れるものにしようと思い、鉄板で出すナポリタンを考案しました」

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