OpenAIとハーバード大、ChatGPTユーザー7億人利用分析で判明。AIは作業ツールから意思決定を助ける相談相手へ

ChatGPTをどう活用しているのか、OpenAIとハーバード大学が研究を発表した(筆者撮影)
世界のChatGPT利用者が7億人に達した。ユーザーはこの生成AIをどんな場面で活用しているのだろうか。OpenAIとハーバード大学の共同研究が、これまでにない大規模データでその実態を明らかにした。
調査結果は意外だった。ChatGPTは単なる作業の下請けツールから脱皮し、人間の判断を支える相談役へと変貌を遂げていた。
人の目を一切通さない分析の工夫
研究対象は週間アクティブユーザー7億人の行動パターンと150万を超える会話データだ。ただし研究手法には独特の配慮があった。
「人間の研究者は誰一人、ユーザーのメッセージを見てはならない」。チームが自らに課したこのルールを実現するため、AIでAIを分析する手法を編み出した。
手順はこうだ。まず「プライバシーフィルター」と名付けたAIが会話から個人情報を完全に除去する。次に、匿名化済みのテキストを別のAIが「業務用途」「情報収集」といったカテゴリに振り分ける。研究者が触れるのは統計数値のみで、個人の会話内容には一切アクセスしない。

ChatGPTは最も使われているAIアプリの地位を保ち続けている(筆者撮影)
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