一方でクレムリン内でも侵攻作戦の見通しについて、悲観的見方をする高官がついに現れた。最近プーチンに大統領府副長官の座を解任された元側近のドミトリー・コザクだ。
ウクライナ生まれのコザクは2022年2月の侵攻開始決定の際に、最高幹部の中で唯一反対した人物だ。外交筋によると、2025年に入っても侵攻停止を提案していた。その根拠として、占領地域におけるウクライナのパルチザン組織の戦闘能力拡大を挙げ、プーチンに警告していたという。
日本はウクライナ戦争とどう関わるべきか
最後にウクライナ情勢と日本とのかかわりについて、筆者の意見を述べたい。石破茂首相は先日の国連総会演説で、ロシアによるウクライナ侵攻にも触れ「国際秩序の根幹を揺るがしている」と強く批判した。在任中、キーウ訪問も含め、これといった行動を起こさなかった首相だが、この演説を筆者は評価したい。
しかし、現在の自民党総裁選では、ウクライナ情勢を含め外交安保問題がほとんど本格的に議論されていないのは残念だ。先に北京で中国・ロシア・北朝鮮3国首脳が一堂に会し、民主主義陣営への挑戦的姿勢を誇示したばかりだというのに、だ。むしろ、東アジアの問題に対しても、遠いヨーロッパのほうが危機感を持っている現状は如何なものだろうか。
最近、ヨーロッパ各国の領空にはロシアの軍事用ドローンが飛来して、緊張が高まっている。バルト3国の1つ、ラトビアは日本に対し、ウクライナにドローンの提供や資金援助を実施する有志国の枠組みである「ドローン連合」への参加を呼び掛けている。中谷元・防衛相は非殺傷用の偵察用ドローンの提供を念頭に参加を検討していると明らかにした。日本は早急に参加を決めるべきだ。
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