ソニーフィナンシャルグループがきょう直接上場(ダイレクトリスティング)、2000年以降で初の事例-参考値段は150円

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(写真:ブルームバーグ)

ソニーグループの金融完全子会社であるソニーフィナンシャルグループ(FG)が29日、東京証券取引所プライム市場に上場する。新株発行や公募、売り出しを伴わない直接上場(ダイレクトリスティング)で、2000年以降で初めての事例となる。

パーシャルスピンオフ制度を利用

23年度の税制改正で認められた「パーシャルスピンオフ」という制度を利用し、ソニーGが20%未満の株式を継続保有しつつ、残るソニーFG株を株主に分配する。初値決定での気配値の基準となる流通参考値段は150円に決定された。上場時の発行済み株式総数71億4936万株と参考値段を単純に掛け合わせた試算では、時価総額は1兆円規模となる。

東証や日本政府がコーポレートガバナンス(企業統治)の向上やそれに伴う事業ポートフォリオの見直しを呼び掛ける中、ソニーFGのスピンオフ(分離・独立)上場は事業再編での新たな選択肢の一例となる。異なる事業を複数手掛けることで企業価値が割り引かれる「コングロマリット・ディスカウント」の解消にもつながりやすく、隠れた内在価値の顕在化をもたらすか注目が集まる。 

調査会社のストック・スピンオフ・インベスティングの創業者リチャード・ハウ氏は、「映画やビデオゲーム、音楽、半導体を手掛ける企業が金融サービスまで抱える必要はなく、非常に合理的な取り組みだ」と指摘。「今回のスピンオフが、ソニーGが複合企業から複数の単一事業企業へと移行する第一歩であれば望ましい」と話す。 

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