「電車で私の隣だけ空席に…」在日外国人が長年傷つき、時に笑い飛ばしてきた"空気"の正体

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また、一人の人が問題を起こすと、少数派全体が簡単にレッテルを貼られ、常に信頼を勝ち取らなければならないプレッシャーが生じることにも言及した。

「マイノリティは普段から、まわりの人に対し、信頼貯金をつくる努力をしなければならないことを感じています。生きにくいし、疲れるけれど、実態としてそうなってしまっている気がしています」(女性、東京、会社員)

これらの日本人の声は、空席が目に見えないものではないことを示している。彼らがこの現象を認識していること自体が、正しい方向への一歩のように感じられる。

たどりついた対処法は書くこと

私は日本に20年間住んでいる。その間に、空席が礼儀の一種だと自分に言い聞かせたり、軽くあしらったり、笑い飛ばしたり、理想の「ガイジン」になりきったり、かつての友人のように自分が大名だと想像したりと、あらゆる段階を経験してきた。

ありとあらゆる対処法を試した。しかし、多くの対処法を試行錯誤した末、今日まで続けている一つの方法にたどり着いた。それは、書くことによって自分自身を浄化することだ。

空席は、2008年に私が初めて書いたブログ記事のテーマであり、私の回想録のテーマでもあった。それは私が自分の声を見つけ、日本で築き上げた執筆キャリアの出発点となった。私は空席を一時的な味方にしたのだ。

座るか、座らないか。その選択はもちろんあなた次第だ。しかし、どうか理解してほしい。たとえ誰も声に出して何も言わなくても、空席は常に何かを語っているのだ。

バイエ・マクニール 作家

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Baye McNeil

ブルックリン出身の作家・コラムニスト・講演者。2004年に来日し、「The Japan Times」 などで執筆しながら、異文化の交差点で生きる経験や、人種・アイデンティティ・多様性について鋭い視点で発信している。代表作 『Hi! My Name is Loco and I am a Racist』 に続き、最新作『Words by Baye, Art by Miki』 では、日本人の妻と築いた人生をユーモアと洞察に満ちた筆致で綴る。日本社会の枠にとらわれない視点が話題を呼び、講演やワークショップも多数開催。ジャズ、映画、ラーメンをこよなく愛する。

ウェブサイト:Baye McNeil/life in Japan

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