週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ライフ

「家に帰ってきたら中に人が…」 育てた野菜をくれる"いい管理人さん"がマスターキーで下着物色 被害女性が弁護士をつけず自力で提訴した理由

7分で読める
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

訴状に盛り込むために、鹿児島地検から事件記録を取り寄せた。同種の事件を調べるうちに、俳優の福山雅治さんら著名人もマンションのコンシェルジュなど「中の人」による住居侵入被害にあっていたことを知る。

裁判のために集めた資料(写真:被害者提供)

2025年1月、元管理人と不動産会社に対し、引っ越し費用や慰謝料など約250万円の損害賠償を求め、鹿児島地裁に提訴した。

不動産会社「管理体制に甘さがあった」

この訴訟を地元テレビ局と、地域のネットメディアが報じ、事件は知られるようになっていく。

マンションを管理する不動産会社が、住民に事件と再発防止策を知らせたのは2025年3月。事件から9カ月後だった。

マンションを管理する不動産会社(宮崎県)は9月、筆者の取材に応じた。総務担当者は「管理体制に甘さがあったのは事実です。彼(元管理人)を信頼しすぎていた面もありました」と回答した。早い段階でマンション住民に周知しなかった理由については「事件の全容を把握するのに時間がかかったため」と説明する。

会社は再発防止策として、警備会社に依頼し、管理人室のセキュリティーを強化した。マスターキーの管理体制も見直したという。

鹿児島地裁。10月3日に判決が出る(写真:グーグルマップ ストリートビュー)

裁判は、10月3日に判決が出る。法廷では緊張したが、意外にも裁判官は簡単な言葉を使ってわかりやすく説明してくれた。

杉原さんは言う。「お金のために提訴したわけではありません。事件を多くの人に知ってもらい、明日は我が身、ということを伝えたかった。『下着を触られただけ』とか『大したことはない』と言われたこともありました。でも、このまま黙っていると、マスターキーを悪用した事件がまた起こるかもしれない。信念を通し提訴してよかったです」。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象