まさかの《へずまりゅう》化? 自民党総裁泉の演説会で高市氏が突然「シカ派」へと転じた"ある意味で納得"の理由
これについて高市氏は、選挙区内に法隆寺があることで聖徳太子との縁を強調。さらに春日大社と奈良公園、東大寺のすぐそばの幼稚園に通ったこと、親の転勤で橿原神宮のすぐそばに引っ越したこと、神武天皇陵などに連れていってもらった思い出などを語り、「私は歴史や伝統、文化の中で育った」と述べている。
こうした背景を考えれば、高市氏が「奈良公園のシカ」に込めた思いは想像できる。
奈良公園のシカは「神様の使い」とされ、大事にされてきた歴史がある。にもかかわらず、今や奈良県警の警官が公園内で「シカを大切に扱ってほしい」と英語や中国語で呼びかけなければならない現実を、奈良で生まれ、奈良で育った「奈良の女」の高市氏には許すことができないはずだ。
演説を「シカ尽くし」にした高市氏の思い
24日の日本記者クラブによる討論会でも「奈良公園のシカ」についての質問に、高市氏は「出馬会見で政策についてこれでもかというくらいしゃべり散らかした。中には『もう政策はたくさん』と思う方もいらっしゃったので、私の心の中の思いを話した」と説明した。

その「心の中の思い」は後に続いた質問により「外国人排斥」へと誘導され気味となったが、そもそもの発想は21日の「有志の会」で櫻井氏が高市氏に語った「政治のありよう」に触発されたものではなかったか。
衆参両院で与党が過半数割れとなった現在、今回の総裁選で選任される新総裁は必ずしも首相に就けるとは限らない。だからこそ、今回の総裁選は当選を目指すための無難な主張に終始するのではなく、それぞれの本音が交わらされる議論を期待する。
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