「特に何も思わなかった」…。「水鶏系」「昆布水つけ麺」を発明したラーメン界の"生きる伝説"が、昨今のブームへの"率直な感想"

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調理中の真剣な眼差しが印象的だった(筆者撮影)

「自分のモットーは“現代の技術”ד懐かしいもの”の融合です。懐かしいラーメンをベースにそれを技術で極限までおいしくしようと思って作っています。

ライフワークの『鶏と水』を極め、シンプルの向こう側に何があるのかさらに追求していこうと思っています。まだまだこれからです」(嶋﨑さん)

目指すのはお客さんの「感動」

ラーメン史を振り返ると、各時代に象徴的な潮流がある。「支那そばや」の故・佐野実さんが礎を築いた「淡麗系」、「中華そば 青葉」が広めた「Wスープ」、「頑者」が切り開いた「濃厚豚骨魚介つけ麺」。

「目指すのはお客さんの『感動』であって、自分の満足じゃないんです」と語る嶋﨑さん。研鑽を積み続ける姿勢に、多くの店主たちがリスペクトを送る(筆者撮影)
書影
『ラーメン一杯いくらが正解なのか』(ハヤカワ新書)。書影をクリックするとAmazonに遷移します
 

その中で「鶏と水」と「昆布水つけ麺」は、間違いなく平成から令和にかけての大きな幹の一つだろう。嶋﨑順一の名前は、すでにその系譜の中に刻まれている。

しかし本人は至って謙虚だ。

「作品なんて言葉は嫌い。ただ食べておいしいと思ってもらえればいい。

目指すのはお客さんの『感動』であって、自分の満足じゃないんです」(嶋﨑さん)

11年ぶりに首都圏に帰ってきた嶋﨑さん。その第三章は過去の集大成であると同時に、これからのラーメン界を変える扉でもある。

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井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。東洋経済オンラインアワード2024にて「ソーシャルインパクト賞」を受賞。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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