「特に何も思わなかった」…。「水鶏系」「昆布水つけ麺」を発明したラーメン界の"生きる伝説"が、昨今のブームへの"率直な感想"

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嶋﨑さんのラーメン哲学は、常に「自分の一杯を0点から見直す」ことにある。自分のラーメンに対しては徹底的なネガティブ思考だという。今日よりも明日の一杯を少しでもおいしくする。その積み重ねの先に、客に感動を与えるラーメンが生まれるのだという。

いよいよ「第三章の始まり」

嶋﨑さんは湯切りパフォーマンスも有名(筆者撮影)

そして2025年、嶋﨑さんがいよいよ首都圏に戻ってくる。新横浜ラーメン博物館からの出店オファーは以前からあったが、尼崎では一人での営業のため現実的ではなかった。しかし今回、嶋﨑さんのファンであり盟友でもある「らぁ麺 まほろば」の青山力さんが協力を申し出たことで実現に至った。「一人では無理。でも彼とならできる」とは嶋﨑さんは語る。

店名の「ロックンスリー」には、「第三章の始まり」という意味が込められている。第一章は東京でのデビュー、第二章は尼崎での研鑽、そして第三章は新横浜を拠点とした集大成の挑戦だ。

ラー博で提供される水鶏系醤油ラーメン「地鶏醤油」(筆者撮影)

ここで提供されるのは、全国から選りすぐった地鶏を日替わりでブレンドする「水鶏系醤油ラーメン」。比内地鶏を中心に、全国の地鶏を日替わりでブレンドすることで、毎日味の表情が変わる一杯だ。「一日一日、おいしくなれと思いながら仕込む」という嶋﨑さんの姿勢そのものが反映されたメニューとなる。

筆者も実際にいただいたが、それは他の水鶏系とはまったく似て非なるものだった。鶏と水というシンプルな構成ながら、そこには柔らかさやふくよかさがある。鶏の分厚いうま味を強烈に立たせたり、醤油の香りを強烈に立たせたりすることはない。あくまで懐かしいラーメンらしさを残しながら、高いバランスで素材を立たせている。

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