スイス・イタリア国境のアルプス地方とスペイン国境のピレネーを除けば、フランスは平地、平原がほとんどの国なので、急勾配やトンネルの連続といった走行に気を遣う道路は少ない。
また、日本の地方で見るような、片側1車線かつ対面通行となっている危険な区間もないので、非常に走りやすい。

情報提供の電光表示も多く、この先の工事区間や主要都市への平均所要時間などが読めるのも安心材料だし、こうした走行に関する以外の広告看板などは一切ない代わりに、ドイツなどと同様、沿線の都市や文化財をアピールするデザイン性に優れた標識が次々と現れるのも旅情を掻き立てる。
最高速度は大半の区間は時速130kmだが、山岳区間や大都市近郊では時速110kmとなっているところも少なくない。
チェコで「時速150km」の高速道路が誕生
さて、この最高速度、つまり制限速度について今、ヨーロッパではさまざまな試みが始まっていることをまとめておきたい。日本の高速道路にも影響を及ぼす可能性があるからである。
今回、このことを考えるきっかけになったのは、フランス滞在中にホテルで見た地元のテレビ局の討論番組であった。
この特集では、「高速道路の制限速度は時速何kmが適当か?」を熱く議論していた。そして、この番組の引き金になったのが、最近チェコとスペインで始まりつつある試みである。
チェコは、昨年も2日ほど現地を走った国だが、今年9月末から新たに開通する高速道路およそ50kmの区間で、時速150km走行を認めることになった。

ただし、雨などで路面が濡れていないこと、交通の流れがスムーズであること、工事が行われていないことなどが条件であり、逐一状況が変わるため、新区間に状況を知らせる42台の電子標識を設置したという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら