若者は本当に「空気を読みすぎる」のか?…30年調査で判明した日本人に起こっている大変化
日本人の生き方そのものも、より「チル」な方向へとシフトしているようです。たとえば、「これといった人生目標がない」「夢の持てない方だ」と答える若者は増加傾向にあります。「若者よ、もっとしっかりしろ」と言いたくもなりますが、やはりグラフをよく見てみると、49~52歳の回答値も19~22歳とほぼ同じなのです(あまりにも値が近すぎて、グラフが分かりにくくなっているのはご容赦ください)。「人生なるようにしかならない」という考え方はいずれの年代でも定着しつつあるのです。
人目を気にしたり無気力になったりと、なんだか覇気のない社会になりつつあるようですが、もちろんポジティブな変化もあります。「男女のつきあいで女性がリードするのもいいと思う」「仕事に燃えている女性は素敵だと思う」という19~22歳の割合は30年間で増加しており、親世代(49〜52歳)もほぼ同じ回答値です。
変わったのは若者ではなく、時代

また、「男だからとガマンしていることがある」「女だからとガマンしていることがある」も、両方の世代でそれぞれ減少。親世代も、ジェンダーへの価値観が変化してきていることを示しています。ステレオタイプにこだわらなくていい時代が訪れているのは、明るい兆しだといえるでしょう。
「Z世代ならではのもの」として語られてきた数々の特徴が、実は「若者に限らず、今の社会を生きる人たち全体に広がっている」傾向だということが見えてきました。若者をスケープゴートにして片付けるのは明らかに適切ではないのです。むしろ、若者は上の世代が形成してきた時代の空気を自然に受け継いでいる─この見方の方が、実態に近いかもしれません。
変わったのは若者ではなく、時代。それが、「だけじゃない」若者像の正体です。
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