ロケ地に「岐阜のレトロな町」が引っ張りだこの"なぜ"? 福山雅治主演『ブラック・ショーマン』に登場《名もなき町》の深すぎる魅力

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経済産業省が認める「伝統的工芸品」に指定された伝統工芸品のラインナップによると、岐阜県内だけでも「美濃焼」「美濃和紙」「岐阜提灯」「一位一刀彫」「飛騨春慶(漆器)」「岐阜和傘」の6つが指定されていて、現代でも大切に継承されています。

その中の「美濃焼」を例に挙げると、伝統産業である陶芸が題材になったテレビアニメ『やくならマグカップも』(2021年)の舞台として、東濃地域の多治見市が登場し話題となりました。

4人の女子高生が陶芸に打ち込むストーリーですが、その効果として、多治見市の美濃焼の工房に光が当たり、聖地巡礼で焼き物への関心が高まるようになったといわれています。

岐阜県多治見市で年に2回行われる美濃焼の大廉売市「たじみ陶器まつり」。直近では、10月12日と13日に開催予定です(写真:パームツリー/PIXTA)

ロケーションの素晴らしさだけではない

聖地巡礼
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岐阜県では、「刃物」「和紙」「陶器」「衣服」「木工」を「5つの伝統的地場産業」と銘打ち、それらの制作や見学の体験ができるような「産業観光」を推進しています。いずれも現代の私たちの日常生活に欠かすことのできないものでありながら、同時に、そのデザイン性や機能性から、外国人観光客からの人気も高いアイテムです。

『ブラック・ショーマン』のロケ地・郡上八幡をはじめ、岩村、古川といった岐阜に点在する伝統的な町並み。ロケーションの素晴らしさももちろん、祭りや伝統文化など、その土地ならではの歴史やストーリーが加わることで、舞台地として独特な魅力を生んでいます。

“名もなき町”への「聖地巡礼」をきっかけに、ぜひ町の文化や歴史に触れてみていただきたいです。

ブラック・ショーマン
伝統文化と豊かな自然に恵まれた岐阜県(筆者撮影)
古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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