ロケ地に「岐阜のレトロな町」が引っ張りだこの"なぜ"? 福山雅治主演『ブラック・ショーマン』に登場《名もなき町》の深すぎる魅力

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加えて、県北部、飛騨地方の飛騨市古川地区も、古い町並みが残っている地域として有名です。ここは、2016年公開のアニメーション映画『君の名は。』の舞台として一躍話題となりました。

作中に出てくる「糸守町」のモデルとして描かれ、町の中心地であるJR高山本線の飛騨古川駅をはじめ、飛騨市図書館や気多若宮神社など、町の一部が忠実に作中に描かれていたことで、世界各国から聖地巡礼の観光客が訪れました。

飛騨古川駅
『君の名は。』にも登場した「飛騨古川駅」(筆者撮影)

作中では、飛騨地域に伝わる「組み紐」などの伝統産業が登場したことから、飛騨地方の文化があらためて国内外に注目されるきっかけにもなりました。

さらに、同じ飛騨古川の町は、NHK連続テレビ小説『さくら』(2002年)の舞台にもなっています。このときは、ヒロインが暮らすことになった、当地に伝わる伝統産業「和ろうそく」の職人の家が登場しました。

今でも古川の和ろうそく店では、ろうそくの制作体験教室を開催するなど、外国人観光客も加わってさらに活況を呈しています。

三寺まいり
飛騨古川の冬の伝統行事「三寺まいり」では、瀬戸川沿いに「和ろうそく」の炎がゆらりと揺れる「千本ろうそく」が圧巻です(写真:kouyunosa/PIXTA)

岐阜県がロケ地に選ばれる理由

このように、映画やドラマの力によって、伝統的な産業やお祭りが見直される例は数多くあります。そうした文化が作品をより印象的に、そして独特の雰囲気を与えているため、「伝統文化の宝庫」である岐阜県が、多くの作品の舞台地やロケ地に選ばれる要因の1つとなったのではないかと考えられます。

ブラック・ショーマン
美しい紅葉が見られる「香嵐渓」で撮影されたシーン(©2025映画『ブラック・ショーマン』製作委員会)
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