「過保護すぎる」「子どもはケガして学ぶもの」という声も…タカラトミー《おもちゃ4万個自主回収》の"やりすぎ対応"が正解であるワケ
8月15日時点で問題が確認できていたという点から考えると、「対応が迅速であったのか?」という点については議論もあるかもしれない。しかしながら、事態が大きくなる前に手を打ったという点では、決して遅くはなかったといえる。
大きな事故が確認されていないにもかかわらず、自主回収を行ったという点で十分な対応であっただろう。
情報公開に関しては、9月8日にニュースリリースの発信と公式サイトでの発表を行っている。タカラトミーが批判を回避できたのは、上記の3点のいずれの対応も十分にできていたためだと思われる。
企業の発表に先んじてSNSで「指を挟んだ」という投稿が頻出したり、メディアで「危険ではないか」という報道がされたりすると、世論は現状とはだいぶ違い、タカラトミー社に風当たりの強いものになっていたに違いない。
世の中で騒がれる前に、企業側が先んじて対応を行い、情報公開を行ったからこそ、大ごとにならなかった可能性も高いのだ。

“過剰対応”で成功した「ペヤングの異物混入事件」
業界は異なるが、類似した事例として、カップ焼きそば「ペヤング」で起きた異物混入事件がある。
2014年12月、消費者が「ペヤングソースやきそば」にゴキブリが混入している写真をSNSに投稿して炎上状態になった。調査の結果、製造過程での異物混入の可能性が排除できないとして、販売元のまるか食品は全商品の生産と販売を半年間にわたって休止した。工場の休止中は設備の刷新と改修を行った。
さらに、同社は自主回収している2種類以外は「安全上の問題はない」としつつも、混乱を避けるために流通業者の元にある全商品を回収することを発表した。
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