「過保護すぎる」「子どもはケガして学ぶもの」という声も…タカラトミー《おもちゃ4万個自主回収》の"やりすぎ対応"が正解であるワケ
同じ頃、扇風機のカバーを開けて指を入れて回してみるといった、今から思うと危険な遊びもしてきたのだが、経験の中で「これ以上やるとマズい」という限界を学ぶこともできたと思う。
玩具に限らず、商品に対する安全基準は厳しくなってきており、使っていてケガをするような商品はほとんど見られなくなった。その一方で、現代人は「自分で安全を確保する」という感覚を失っているのも事実だ。
筆者は海外によく行くのだが、国によっては、大手のスーパーマーケットでも賞味期限切れの食品や、パッケージが破れて中身がこぼれている商品が平気で売られていたりする。
現地の人から「モノを買う前に、ちゃんとチェックしてから買ってください」「買った後で欠陥があっても返品は受け付けてもらえないと思ってください」という助言を受けたこともある。
現代の日本にいる限りは、安全性を気にしながら買い物をしたり、商品を使ったりする必要はほとんどない。過保護といえば過保護である。また、売り手側に過大な負担を負わせ、買い手側には配慮を求めないことが、はたして適正なことなのか?という疑問もある。
しかしながら、現状の風潮は一朝一夕には変わらないだろう。特に子どもが使う商品に対して厳しい安全配慮が求められる状況は、より厳しくなることはあっても、緩くなることはないと思われる。
そういった意味では、タカラトミーの“過剰対応”はむしろ「適正」といってもいいだろう。

問題発生時に求められる「3つの対応ポイント」
一般に、企業で問題が発生した際には、下記の3点が重要になる。
2. 対応の内容
3. 情報公開
タカラトミーのケースでは、商品の発売が7月19日、事故が確認されたイベントが8月15日、アンケートで「指を挟んだ」という報告が12件まで確認できたのが9月5日、自主回収の発表が9月8日となっている。
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