フェラーリが「8月の雪上ドライブ」を提供した意味とは? 「エスペリエンツァ・フェラーリ・オンアイス」で聞いたメーカーの真意

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「フェラーリ車のポテンシャル(秘めた性能)をフルに味わってもらおうという意図で、マーケティング部門が始めました」

雪上の会場で会った広報担当者の説明だ。

色とりどりの「12チリンドリ」がこの日のテスト車両(写真:Ferrari)

イベントの総称は「エスペリエンツァ・フェラーリ」。読んで字のごとくフェラーリの経験提供が目的である。

「ニュージーランドでの雪上ドライブは、今回で3回目。かなり喜ばれるので続いています」

今回の「オンアイス」(実際はオンスノー)の運営をまとめるイギリス人は、そう語る。

実際、私が出かけたのと同じタイミングでこのイベントに参加していた人たちは、一様に喜びの言葉を口にしていた。

「フェラーリで雪上を思いきりドライブするのは、初めての経験。性能の高さがわかって、安心感が増しました」

フェラーリを十数台所有する、マレーシアはクアラルンプールから来た不動産業を営む参加者の感想だ。

雪上だからテールを流すドリフト走行も自在(写真:Ferrari)

私はどちらかというと、オブザーバー的な参加で(といいつつ思いきり楽しませてもらったけれど)、メインゲストはオーナー。

「イベントへの参加資格は、オーナーもしくは有望な見込み客。各地のディーラーが推薦する人たちです」

ソウルから訪れていた若き投資家(日本でも有名な化粧品などで財を築いたとか)は、いま3台のフェラーリのデリバリーを待っていると言っていた。

日本人の姿もあった

「エスペリエンツァ・フェラーリは2000年代に始まったもので、目的はクライアントとの結びつきの強化です」

さきのフェラーリの担当者の言だ。

「フェラーリ・チャレンジ(各地で開催中のフェラーリ車を使ったワンメイクレース)のオマケで付いてきたので参加しました」

熱心にフェラーリ・チャレンジに参戦している日本人のオーナーはそう言い、「すごく有意義な体験でした」とオンアイスを評した。

オーナーであっても「12チリンドリ」の実力を試せる機会は多くない(写真:Ferrari)

内容は、ポールの周りをぐるぐるまわる定常円旋回、2本のポールを使った「8の字」、ポールを縫って走るスラロームと多様。

次ページ1速固定の雪上ドライブで「覚える」こと
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事