相次ぐ被害「人を恐れないクマ」はなぜ増えた?最前線の研究者が教える「熊害が発生するワケ」と「遭遇時に身を守る対策」、そして共存への可能性

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相次ぐクマによる被害。その背景を専門家に聞きました(写真:MASATOSHI/PIXTA)

日本には北海道にヒグマ、本州と四国にツキノワグマが生息しており、昨今、これらクマ類による被害が全国で相次いでいる。

環境省によれば、今年4月から8月末までの人身被害は全国で69人(ツキノワグマ66人、ヒグマ3人)にのぼり、うち死亡者は5人(ツキノワグマ3人、ヒグマ2人)。被害者数は、現在の形式で統計を取り始めた2006年以降、最多だった2023年度の同時期(71人)と同水準であり、死亡者は3人多い。

また、7月末までのツキノワグマの出没件数(北海道はヒグマの出没数を公表していない)は全国で1万2067件にのぼり、2023年度同時期(8536件)の約1.4倍に増加している。

クマの人身被害の報告相次ぐ

8月14日、北海道斜里町の羅臼岳で登山中の男性(26歳)がヒグマに襲われて死亡した。男性の捜索活動中に子グマ2頭を連れた母グマが見つかり、3頭すべてが捕殺され、DNA鑑定でこの母グマが加害個体と確認された。

その前月には、北海道南部の福島町で、新聞配達中の男性(52歳)がヒグマに襲われて命を落とした。のちに町内で駆除されたヒグマのDNA鑑定によって、このヒグマは4年前にも同町の山林で女性(77歳)を襲って死亡させた個体であることが判明した。

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