金融庁が東京海上日動あんしん生命に立ち入り検査へ、保険代理店への過度な便宜供与を問題視か

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東京海上グループ
東京海上日動あんしん生命は、「マネードクター」など保険代理店に対する過度な便宜供与などで金融庁から8月に報告徴求命令を受けていた(編集部撮影)

金融庁が東京海上日動あんしん生命保険に対して、立ち入り検査を通知したことがわかった。規模の大きい保険代理店に対して、相場と乖離した広告費を支払ったり、営業社員の採用を支援したりといった過度な便宜供与策の実態について、詳しく検査するとみられる。

あんしん生命を巡っては、自社商品の優先的な取り扱いを狙って、代理店に便宜供与を繰り返していたことが指摘されている。その典型例が、「マネードクター」のブランド名で保険代理店事業を展開するFPパートナーに対するものだ。

FPパートナーは8月6日に、「保険会社からの便宜供与の実績に重点を置いて推奨商品の選定を行っている」「顧客の適切な商品選択の機会が阻害されている蓋然性が高い」などとして、金融庁から保険業法に基づく業務改善命令を受けている。

「過度な便宜供与ではない」と主張

さらに同日には、あんしん生命のほか、FPパートナーと取引が多いアフラック生命保険、アクサ生命保険、SOMPOひまわり生命保険、なないろ生命保険、メディケア生命保険、はなさく生命保険、FWD生命保険の計8社に対して、金融庁が保険業法に基づく報告徴求命令を出している。

金融庁は1年以上前から8社に対して、FPパートナーへの便宜供与の実態などについてヒアリング調査を進めていたが、「これは過度な便宜供与ではない」などと主張し、徹底抗戦していたのがあんしん生命だった。

今後、金融庁がほかの7社についても立ち入り検査に踏み切る可能性がある。

FPパートナー
金融庁から8月に業務改善命令を受けた、保険代理店のFPパートナー(編集部撮影)
 東洋経済オンラインでは、特集「保険 異常事態」で、1年余りで3回もの行政処分が下る損害保険業界の異常事態を詳報しています。

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中村 正毅 東洋経済 記者

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なかむら まさき / Masaki Nakamura

これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

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