トヨタ社長、「最大より最高に将来性がある」 規模を語らないトップであり続けると強調

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10月28日、トヨタ自動車の豊田章男社長(写真)は「最大」より「最高」との評価に将来性があると強調した。写真は28日、東京モーターショーで撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 29日 ロイター] - トヨタ自動車の豊田章男社長は28日、東京モーターショーの会場で記者団に対し、「Biggest(最大)になるより、世の中からGreatest(最高)と言っていただくほうが将来性があると言い続けている」と語り、「規模を語らない」トップであり続けることを強調した。

豊田社長は自らの発言の重さを意識し、数値目標を語れば会社全体が一斉にその達成に向けて無理をしてでも動こうとすることが想定されると説明。数値目標のマイナス効果を避けたいとする。「技術で新しいページを開いたという評価をいただける会社を目指し、規模を語らないことにしている」と述べた。

トヨタは、世界販売で首位の座を争う独フォルクスワーゲン(VW)に1―6月はトップを奪われたが、VWが主力の中国市場などで販売を落としたことなどにより、1―9月は首位に返り咲いた。中国市場減速の早期回復は見込みにくく、VWのディーゼルエンジン排ガス規制逃れ問題による販売への影響はむしろこれから。12月に新型「プリウス」発売を控えるトヨタの年間首位もほぼ確実とみられる。

VWのウィンターコルン最高経営責任者が世界販売トップという目標を掲げたことも不正の背景にあるとされている。トヨタは2000年代に規模を追った結果、09年に米で品質問題に直面。豊田社長は「トヨタの長い歴史の中で、あの問題があったからこそリボーン(再生)できた」と振り返った。

VWの問題発覚によりディーゼル車そのものの環境性能も問われているが、豊田社長はトラックなど車種によってはディーゼルが最適なものがあるとして、今後も用途により使い続ける、とした。

今回の東京モーターショーでは、各社が自動運転技術を披露している。トヨタも2020年に高速道路で自動運転できる車の投入を目指す。実用化の時期を明確にしていない一般道での自動運転についても、豊田社長は「技術的に自信がある」と語った。高速道路に比べ、歩行者や自転車、信号や交差点のある一般道はより難しいとされる。

自動運転は「道と車と車の間、車本体とがバランス良く成長しないと成り立たない」と指摘。「長期的にメディアとメーカーとインフラとルールメイキングする人が、タイミング良く成長させていく必要がある」と述べた。

豊田社長は以前より前向きに自動運転に取り組もうとしているという。東京五輪のスポンサーになり、パラリンピック選手と身近に接する機会が増えたのがきっかけだ。これまではウエルキャブ(福祉車両)が最適だと思っていたが、障がい者の方から「カッコイイ車に乗りたい」との声があったためと語った。

 

(白木真紀)

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