渋谷駅「マークシティ」、あまり知られていない話 東急・京王・メトロの権利割合や再開発との関係は?

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たとえば、アベニューのレストランの顔ぶれを変えて、「日本初出店のようなここでしか出会えないという店をどんどん入れていきたい」という。2匹の犬がいる広場も有効活用する。「クリスマスやバレンタインなど季節に合わせてポップアップショップを作るなど、人が買い物でにぎわえるような広場にしたい」。

また、道玄坂上の起点は木々が生い茂っており、木漏れ日が差し込むなど、スクランブルスクエア周辺よりは自然が多い。そのため、「アベニューはそこに向かうので、人工的な場所から自然の場所への変化といったことが視覚的にも音響的にも伝わるような空間に変えられたらいいと考えています」。これまでもマークシティは渋谷におけるポジションを変えて成長してきたが、今後もポジションを変えてさらに上を目指す。

マークシティ 道玄坂側
道玄坂上側から見た渋谷マークシティ。木々が生い茂る(記者撮影)
【写真をもっと見る】井の頭線とJR線・地下鉄銀座線の駅を結ぶ渋谷マークシティ2階の連絡通路や「マーク」と「シティ」のオブジェが並ぶ4階の広場など、渋谷マークシティの姿

東急はヒカリエを「渋谷駅周辺再開発の先陣を切って開業した」と位置付けている。東横線・副都心線直通構想から再開発計画が始まったと考えれば、確かにそのとおりだが、将来、渋谷駅の再開発が完成したとき、「100年に一度」という長期的な視点で見渡せば、実はマークシティこそ再開発の嚆矢といえるかもしれない。なぜなら、スクランブル交差点前に建つ商業ビルのQFRONT(キューフロント)が1999年12月に開業し、2000年4月にマークシティが開業した。この時期からスクランブル交差点周辺の景色が大きく変わったことは間違いないからだ。

「渋谷マークシティは2000年代における街の変化の起点になったと思います。そしてこれからも変化を止めることはありません」

江柄社長は誇らしげにこう語った。

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大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げ。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に定年退職後の現在は鉄道業界を中心に社内外の媒体で執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京交通短期大学特別教養講座講師。休日は東京都観光ボランティアとしても活動。

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