渋谷駅「マークシティ」、あまり知られていない話 東急・京王・メトロの権利割合や再開発との関係は?

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「スクランブルスクエアなど新たに開業したビルに転出するテナントが出て、一時的に空室になってもすぐ埋まります」

こう話すのはマークシティの物件管理を行う株式会社渋谷マークシティの江柄好朗社長である。同社はビル開業に先立つ1999年の設立。当初は3社が出資し、社員も3社から派遣されてきた。

社長は代々東京メトロ出身者が就き、物件運営の舵取りを担ってきた。しかしその後、東京メトロは物件管理から離脱してオーナーに専念。物件管理は東急、京王の2社体制となった。2019年4月からは東急出身者が社長を務めており、江柄社長も東急出身で2024年4月から陣頭指揮を執っている。現在の物件管理会社・渋谷マークシティは東急の連結子会社であり、東急の不動産戦略の一翼を担っている。

渋谷マークシティ 外観
渋谷マークシティは25階建てのホテル棟(中央)、23階建てのオフィス棟、2棟をつなぐ4階建てのショッピングモールからなる(記者撮影)

商業階、周辺施設とどう差別化?

渋谷エクセルホテル東急は、東急グループが運営する複数のホテルラインナップの中では中間的な位置付け。東急のフラッグシップ的な位置付けの高級ホテルとしてセルリアンタワーに入居する東急ホテルとはホテルのポジショニングですみ分けている。「渋谷は東京でいちばん外国人が来る街だけに、宿泊者の8〜9割が外国人客です」(江柄社長)。駅直結という強みを生かして、宿泊稼働率は過去最高を更新中。宿泊料金も上昇しているという。

そして、低層の商業スペースは、時代に合わせてポジショニングを変えてきた。マークシティができる前の渋谷はティーンエージャーが集まる街で、大人が訪れにくいというイメージがあった。しかし、マークシティ開業によって3000人規模の大人がオフィス棟で働く。そこで、「上質で安心できる空間を提供する」というコンセプトの下、高感度・高品位な20〜30代のOL層をメインターゲットにした店舗をそろえた。流行発信の起点ができたことで、大人が街を回遊するようになった。

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