渋谷駅「マークシティ」、あまり知られていない話 東急・京王・メトロの権利割合や再開発との関係は?
ビルの2階に京王井の頭線の渋谷駅があり、多くの利用者でにぎわう。再開発計画では東の宮益坂上から駅のある谷の上空をまたぎ、西の道玄坂上までデッキレベルでつなぐ渋谷スカイウェイという壮大な構想があるが、スクランブル交差点付近から道玄坂上まではマークシティの中にある遊歩道を通る。その意味では、再開発計画における重要なピースの1つなのである。
マークシティは東京メトロ(当時は帝都高速度交通営団)、東急(当時は東京急行電鉄)、京王電鉄の3社が共有している。この敷地には京王井の頭線の渋谷駅のほか、営団の銀座線車両基地、東急バスの専用道があった。その交通機能を維持しながら、スペースを高度利用することを目的として、1994年から開発が始まった。
敷地面積の割合はメトロが約49%、東急が約26%、京王が約23%、そして、6年の歳月を経て完成した建物への各社の権利割合はメトロ約44%、東急約36%、京王約20%である。京王井の頭線の改札口があるだけに、京王のビルのように見えるかもしれないが、実は3社の中でシェアが最も小さいというのは驚きだ。

駅直上の利便性、入居率は100%
マークシティは渋谷エクセルホテル東急が入居する25階建てのホテル棟、8000坪超の賃貸面積を持つ23階建てのオフィス棟、そして2つの棟をつなぐ低層階は4階建てのショッピングモールで構成される。井の頭線渋谷駅のほか、3階には銀座線の車両基地があり、5階には高速バスターミナルが設けられた。
開業当時、渋谷駅周辺の高層ビルは渋谷クロスタワー(当時は東邦生命ビル)くらいしかなかった。国道246号沿いに東急が建設した地上41階建て高層ビルのセルリアンタワーは2001年竣工なので、まだ開業していない。その意味で、渋谷駅周辺では数少ない高層建築物であり、広いフロア面積を持つインテリジェントビルとして、開業時はサイバーエージェント、ファーストリテイリング、NTTエレクトロニクス、エイチ・アイ・エスなど業界の最先端を行く企業が入居していた。現在も駅直上という地の利を生かし、入居率は100%だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら