「時給2000円超も!」パートが正社員より稼ぐ"勝ち組非正規"は、大量出現するのか?
いま日本企業は、遅ればせながら若手正社員の給与水準を引き上げている段階です。給与制度の見直しの進み具合にもよりますが、若手正社員の給与水準が上がれば、今でもレアな逆転現象はさらに減ります。
少なくとも、逆転現象がどんどん増えて、非正規労働が日本人の働き方の主流になるということはないでしょう。
「勝ち組非正規」と肯定していいのか?
以上の分析・予測が正しいとすれば、個人的に気になるのが、本件に関するメディアの報道姿勢です。今回、一部のメディアが、逆転現象を「勝ち組非正規」と肯定的に表現し、あたかも「非正規でも豊かに暮らせる」というメッセージを発信しています。
メディアは「事実を伝えただけで、非正規で働くことを推奨しているわけではない」と言い訳するかもしれません。ただ、「非正規労働のススメ」と受け止める読者がいても、不思議ではありません。
「犬が人に嚙みついてもニュースにならないが、人が犬に嚙みついたらニュースになる」と言われる通り、珍しい現象を世の中に先んじて報じるのがメディアの役割。
とはいえ、いま社会問題になっている非正規労働者のさまざまなデメリットを直視するなら、誤解を招くような報道は控えるべきではないでしょうか。少なくとも「勝ち組非正規」は現在でも超レアな存在で、今後は消滅する可能性が高い、という点は明示するべきだと思います。
非正規という働き方を否定するつもりは毛頭ありませんが(私自身がフリーランス=非正規で働いています)、非正規で正社員よりも稼ぐというのは、かなり困難なこと。「勝ち組非正規」という報道を見て、「俺も非正規で働いて豊かに暮らそう!」という若者が現れないことを祈ります。
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