フランスに社会党政権が誕生なら、金融市場でユーロ危機再燃も--ドイツ有力経済人に聞く


 
 2つ目は財政規律に関して安定的な基準を設けること。政府債務は対GDP比率60%以内、といった基準を法制化する。もし基準を満たすことができなければ自動的な制裁措置を発動することも盛り込んだ。1つ目の競争力強化と2つ目の安定的な基準については、実現に時間が必要。ファイナンスによって1つ目と2つ目が可能になる。
 
 というわけで、3つ目がブリッジ・ファイナンスだ。(欧州金融安定基金=EFSF=を引き継ぐ)ESM(欧州安定メカニズム)の枠組みでファイナンスを行う。4つ目は金融システムを安定させるための規制導入。小さいが重要なポイントだ。

これらは実に包括的なプログラムである。各国が財政協定に調印したことを受けて金融市場にはこの2カ月間、安定化の兆しが見られる。イタリアのモンティ首相が打ち出した緊縮財政策などマーケットを納得させるようなリストラ計画も出てきた。それゆえ、包括的なプログラムはユーロの将来について私を楽観的にさせている。

--金融市場ではポルトガルに対する追加金融支援の話が取りざたされていますが。

ポルトガルは高い精度でかつ信頼性の高い改革案を実行できる国だと考えている。だが、同国経済の成長力は鈍く、現在の改革案では政府債務を目標レベルまで減らすには不十分かもしれない。追加的な金融支援を受ける可能性も排除できない。

ただ、その金額は3000万ユーロないしは最大でも4000万ユーロ規模だろう。一方、ESMの融資可能額は5億ユーロ。ポルトガル救済がユーロ圏で財政危機に陥った国々の支援の枠組み全体に大きな影響を与えることはない水準といえる。

ポルトガルに対する新たな支援が行われれば、同国の景気刺激を通じて債務削減の目標達成の可能性を高めることにもつながるだろう。

--欧州中央銀行(ECB)による無制限の国債買い取りには従来から反対ですね。

欧州各国の国債を買うのはECBの使命に反する。法で定められたECBの使命はただ1つ。物価の安定である。政府をファイナンスすることではない。国債を買うことが許されるのは、金融システムを安定させる場合だけだ。これは過去にも行われている。

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