経営のプロも「ビジネスになるか!」と一喝してたのに…なぜ「セルフうどん」は全国を制覇? 丸亀製麺・はなまるうどんの歴史から読み解く
2025年現在の「セルフうどん」2強の店舗数・年間売上・利益を比較してみよう。
@はなまるうどん:415店/308億円/20億円(25年2月期末)
店舗数は倍、売り上げ4倍、利益10倍。もちろん、それぞれに良さがあるとしつつ、数字だけを比べると、丸亀製麺の圧勝としか言いようがない。
ともに2000年に創業した丸亀製麺・はなまるうどんの共通点は、「セルフうどん」方式を採用していること。入店から退店までほとんど客側が動き、店側はカウンターから一歩も出ずに、うどんを出して会計するだけ。店舗側の人員が少なくて済むがゆえの「安価なうどん提供」、店舗側の基本作業が少ないため「提供スピードが速く、多量の来客をさばける」というメリットを持つ。
そう聞くと、誰かがすぐに思いつきそうな営業スタイルではあるが、丸亀・はなまるの全国進出以前には、讃岐うどんの本場・香川県以外ではあまり見かけることがなかった。

実は、もともと「セルフうどん」は、ビジネスとして手広く展開できない、致命的な難点を抱えていた。その難点を解消して、全国に「セルフうどん」が通用するきっかけを作ったのが、他でもない「はなまるうどん」だ。
そこから丸亀製麺が突出できた理由は前回の記事「丸亀製麺『1強』はなまると"差がついた"納得理由」で触れるとして、のちに全国に受け入れられるまでの「セルフうどん」成長過程から「はなまるうどん」登場までの知られざる業界史を、香川県での「セルフうどん」発祥の店(高松市「ちくせい」1968年創業※諸説あり)の近くに実家があった筆者とともに追ってみよう。
コンサルも一喝「そんなもん、ビジネスになるか!」セルフうどんが「香川県ローカル」であったワケ
「セルフうどん」とひとくちに言っても、店によって「お金を払うタイミング」「玉数の申告」(店によって「玉数に応じて色分けされた丼を取って渡す」システムがある)「麺を客が「てぼ」(鉄砲ざる)で湯がくか、店の人が湯がくか」など、ルールは店ごとさまざま。
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