黒人女性向け美容業界にもトランプ関税が直撃、安価だったウィッグのほか、編み込み式エクステに用いられる付け毛や接着剤の価格が急騰

[フィラデルフィア/米ジョージア州スマーナ 19日 ロイター] - 米ジョージア州スマーナでヘアサロンを経営するダジア・ブラックシアー=キャロウェイさん(34)はこの夏のはじめ、常連客が以前ほど頻繁に来なくなっていることに気づき始めた。
店にはスタイリストが2人在籍し、自然な髪型(50ドル)からテープで装着するエクステンション(745ドル)まで数十種類のサービスを提供。編み込みに人毛を縫い付けるエクステ(254ドル)などが人気だ。
付け毛や接着剤の価格が急騰
ところが、トランプ大統領が中国やベトナムに対し一連の関税を課すと発表。黒人女性の使用頻度が高いブラックビューティー製品の大半はこうした国々で製造されているため、安価だったウィッグのほか、編み込み式エクステに用いられる付け毛や接着剤の価格が急騰した。
ベトナムから輸入されるエクステ用ヘア1パックの価格は5月以降、190ドルから290ドルに上昇した。ダジアさんの地元のヘアケア用品店では、中国製エクステ用接着剤の価格が1本8ドルから14.99ドルに値上がりした。
「あらゆる面で影響を受けている」とダジアさんは話す。「上昇分はサロンが吸収するか、サービス料に転嫁するしかない。料金を値上げすれば、顧客の予算や懐具合にも影響する」
サービス料への転嫁を避けるため、ダジアさんは顧客に自分の髪を持ち込むよう求めている。予約サイトによると現在、彼女のサロンでは自分の髪を持ち込めば140ドル、持ち込まなければ場合は400ドルでサービスを提供している。
関税率が変わると卸売業者からの出荷が遅れるため、商品の入手にも苦労がつきまとう。