「ノスタルジア」が世界を滅ぼしかねない理由 「昔はよかった」が孕む甘い罠 ポピュリスト政治家が利用する「人民の新しいアヘン」の正体
ポピュリスト運動が描く過去のイメージは、しばしば白人や男性を過大視していると非難される。
しかし、ノスタルジアは右派特有のものではない。
左派もまた、パリ・コミューンやソヴィエト連邦、イギリスの国民保健サービス(NHS)のような出来事や制度へのノスタルジックな思い入れを批判されることがある。
ノスタルジアは、人々を特定の方向に投票させたり、ある政策に抗議させたりする原動力となる。
警報装置としてのノスタルジア
ノスタルジアは、ありふれた存在でありながら、その意味は時代とともに変化してきた。
現代では、この感情は「警報装置」の役割も果たしている。
ノスタルジアが公共の議論に出てきたとき、私たちは注意深く観察する必要がある。
どのような経験を愛惜するために使われているのか?
誰がノスタルジアを利用しているのか?
その表現は、ある時代の社会や個人の価値観について何を物語っているのか?
本書は、ノスタルジアという危険な感情の歴史であると同時に、私たちが今、何をし、それをどう感じ、この世界をどう変えたいと願っているのかを分析する報告書でもある。
ノスタルジアは、私たちの現在への不満と、未来へのビジョンを伝える一つの方法なのだ。
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