「コンビニ市場は飽和なのになぜ」という声もあるが…。セブンが1000店舗も増やす本質理由

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北米のEV普及率は2024年で10%ほどになったらしいのだが、2030年までには3~4割くらいにはなるという予想もあるようだ。EVがスタンドに寄るのは充電のためであり、現状では急速充電でも20~40分はかかる。

つまり、その待ち時間を有効に過ごしてもらうためには、レストランやイートインなどを充実させて過ごしてもらうのが望ましい。EVが増えてくれば、北米コンビニではレストラン併設が大きな差別化につながる可能性は高く、セブンの取り組みは有効な布石となる可能性は高いだろう。

北米でレストラン併設を強化するサークルK

今、北米コンビニでレストラン併設を強化しているのが、セブン-イレブンとサークルKなのだそうだ。サークルKとはまさに、例のクシュタール社(ACT)の店である。この両社の競争はこれからも続くのであり、セブンが強化した北米事業が上場した際には、ACTは必ずM&Aを再検討するだろう。

(写真:ブルームバーグ)

この計画が実行されて、株価2600円以上を達成したくらいで、ACTがあきらめることはないように思う。彼らの欲しかったのはセブンの北米事業であるはずで、今度は欲しい事業だけが割安で市場に並んでいれば、敵対的にM&Aを実施するに決まっている。北米レストラン事業はその企業価値向上の成否に影響する。セブンvs.ACTはここからが本番なのかもしれない、と思ったのである。

中井 彰人 流通アナリスト

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なかい あきひと / Akihito Nakai

みずほ銀行産業調査部で小売・流通アナリストに12年間従事。2016年同行を退職後、中小企業診断士として独立、開業。同時に、ベンチャー支援活動、地方創生支援活動を開始。並行して流通関連での執筆活動を本格化し、TV出演、新聞、雑誌などへの寄稿、講演活動などを実施中。2020年よりYahoo!ニュース公式コメンテーター、2022年Yahoo!ニュースエキスパートを兼務。主な著書「図解即戦力 小売業界」(技術評論社)、「小売ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)。現在、東洋経済オンライン、ダイヤモンドDCSオンライン、ITmediaビジネスオンライン、ビジネス+IT、プレジデントオンライン、新潮フォーサイト、などで執筆、連載中。

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